カタカナ長音表記Orthography Rules for New Foreign Words

by Aya and Orie, e2f Japanese Team

世界に名だたるIT企業、そして最新ゲームやアプリの開発に勤しむスタートアップ企業などが多く集まるシリコンバレーからお届けする初のe2f日本語ブログ。
ご存知の方も多いと思うが、「シリコンバレー」という地名は存在しない。ウィキペディアによると、『多数の半導体メーカーが集まっていたこと(半導体の主原料はシリコン(Silicon))と渓谷(Valley)という地形に由来する』とのこと。「ビッグアップル(ニューヨーク)」のような、土地に与えられたニックネームである。
このシリコンバレーは、サンフランシスコ-ベイエリアと呼ばれる、サンフランシスコ南部からサンノゼ市に広がる「valley」にあるが、これを「谷」と訳してしまうとあまりピンとこない。どちらかというと、湾に近いが故の「低地」程度である。谷と呼びにくいのは、谷をなすために対となるべき山が迫っていないせいもあるかもしれない。シリコンバレーの周りにある「山」は、平均して標高1000mほどの低めの山であること、そしてその山と山の間の土地が広く、狭い山間の「谷」というイメージはまったくないのだ。
ところで、前置きが長くなったが、カタカナ表記の「バレー」は、谷だけではなく別の名詞も指すことがある。バレーボール、バレリーナが踊るバレー、最近ではバレーパーキングなるものも知名度が増している。表記が同じだとわかりにくいので、踊る方(Ballet)は「バレエ」、パーキング(Valet)は「バレット」と書くこともあるが、このカタカナ長音の表記基準は、いつもあいまいである。文部科学省の制定する基準でも多くの例外が認められていて表記のゆれが大きく、新聞社を始めとする業界各社による統一ルールも完全に一貫性を保つのは困難な状況である。現状としては、多くが慣例的に使われ、さまざまな表記の混在を許している。
インターフェースなのかインターフェイスなのか、翻訳の際には、その業界での慣例を把握すると同時に、クライアントの意思を確認し、どの表記を採用するかを決定する必要がある。

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